腰痛カテゴリーの前回記事で、腰痛の種類として、原因がわかるもの(特異的腰痛)と原因がはっきりしないもの(非特異的腰痛)があるということを書きました(前回の記事はこちら)。
今回はそれにもとづいて調べたことを書いてみます。
原因がわかる腰痛には、その原因をとりのぞいたり、症状を軽減するという医学的・理学的な療法が中心として行われます。
原因がわかる腰痛の治療
ここでは、原因がわかっている腰痛のうち、座骨神経痛によく用いられる療法について述べます。座骨神経痛は、「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などを原因とし、特異的腰痛の多くを占めます。
痛みは病気の主原因から起きる症状ですが、長い期間ガマンすることにより慢性化し、神経の興奮が継続化して過敏な状態になってしまいます。こうなると痛みそのものが病気といえます。痛みをやわらげるということは大切なことなのです。
原因がわかる腰痛(特異的腰痛)の治療法には、おもに「保存療法」と「手術療法」があります。
保存療法
保存療法とは手術によらない療法で、おもに対症療法により症状を和らげることを目的とするものです。症状の主原因を取り除くものではありませんが、患者の日常生活に支障をきたさないようにすることを目指します。わたくしも薬物療法と神経ブロック注射は受けました。
原因がわかるとは、医師の診断によってということであり、医師の方針にしたがって治療することになります。自己判断で民間療法などに頼ることはおすすめできません。
薬物療法
痛みにはおもに炎症によるものと、神経の痛みとがあります。それぞれに応じた薬が処方されます。
非ステロイド性消炎鎮痛薬
いわゆる”痛み止め”と呼ばれる薬で、主に炎症による痛み(侵害受容性疼痛)に対し処方されます。アスピリンやロキソニンなどですね。
神経障害性疼痛治療薬
神経障害性疼痛とは神経の圧迫や損傷によって起きる痛みで、多くの場合しびれをともないます。痛みを伝える物質(神経伝達物質)が過剰に放出されることを抑えることで痛みをやわらげます。
リリカという薬がよく用いられるようで、わたくしも結構長いあいだ飲みました。
そのほかの治療薬
痛みを緩和する薬としては、ステロイド・オピオイド(医療用麻薬)・抗うつ薬などがありますが、腰痛にはあまり用いられないようです。
神経ブロック療法
神経ブロック療法は、神経や神経の近くに麻酔薬を注射し、痛みをなくすものです。薬物療法と併用し、複数回おこなうのがふつうです。痛みをやわらげることにより、筋肉のこわばりをなくし、血流をうながすことができます。これにより、神経の興奮を徐々におさめることが期待できます。
わたくしの感想では、注射によって痛みがなくなる期間はせいぜい1~2日でした。しかし、複数回注射することにより、いちばん痛みが激しかった時間を切り抜けることができたように思います。
理学療法(リハビリテーション)
痛みが激しかったり、手術後の痛みがある期間ははどうしても動くことができず、筋肉が衰えたり関節が固くなったりします。運動能力が落ちると日常生活にも支障をきたします。リハビリは運動能力を回復し、QOL(quality of life、生活の質)を高めることをめざします。
リハビリの内、理学療法には運動療法・温熱療法・電気刺激療法などがあります。医師の指示のもと、理学療法士などが指導して訓練等を行います。
なお、リハビリには理学療法のほか、作業療法・言語聴覚療法もあります。
運動療法
運動療法とは、身体を動かす事を治療法として用いることです。筋力増強訓練やストレッチなどにより、症状の軽減や機能の回復をめざします。
温熱療法
全身や患部を温めて血流を改善し、筋肉の緊張をやわらげ、痛みの原因となる物質の除去をうながします。
電気刺激療法
電気刺激(低周波)を与え、神経の働きを抑えることによって痛みを緩和します。
手術療法
保存療法では治癒が望めない場合や、下肢の脱力・排尿障害があるときには手術をおこなうことがあります。
手術は、神経を圧迫している部分を除去する等の方法で行います。
最近は内視鏡下で行うなど、身体にやさしい手術が多くなりました。とはいうものの、手術は身体に負担がかかりますので、医師の説明をよく聞いてください。