前回に続いて、今回はわたくしが坐骨神経痛にどう対処したかを書いてみます。
坐骨神経痛は、腰部脊椎管ヘルニアや脊柱管狭窄症などを原因とする症状をいいます。
原因がわかっているため、特異的腰痛として病院での治療の対象となります。
坐骨神経痛への対処
それまでの痛みとはようすが違ったため、わりと早い段階で病院で診てもらいました。症状も比較的典型的であったため、すぐに治療を始めました。
どのような痛みだったかというと...
- 股関節の前後、お尻、ふくらはぎに強い痛みがある。すね、足指先にしびれがある
- 休み休みでないと歩けない(間歇性歩行)
- 杖が必要
- 腰(身体)を動かすと脚の痛みが激しくなる
- 寝ていても、お尻や脚が激しく痛んで眠れない
- 身体をかがめると痛くて、風呂を洗ったり、くつ下を履いたりがつらい
- 自転車の乗り降り時に股関節がするどく痛む
- 階段の昇り降りができない
- エレベーターの昇降時にGがかかると痛い
- 正座ができない
- 長い時間立っていられない
- ストレッチもできない
などなど...
病院での治療
MRIの検査では、小さな腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症があるということで、これが原因だろうということでした。
治療は、薬物療法が中心で、手術には至りませんでした。
薬は一般的な痛み止め(ロキソニン)と、リリカという薬。
リリカは神経障害性疼痛治療薬と呼ばれる薬剤で、直接痛みを取るというよりは、神経の興奮を抑えるという働きを持つのだそうです。
ブロック注射も受けました。こちらを参照してください。
痛みがいちばんひどかった時期が3か月ほど、その後いくらか動けるようになるまでにさらに3か月、ほぼ症状がなくなるまでにさらに6か月ほどを要しています。
現在、たまに痛みが出ますが、日常生活に困るほどではありません。
体幹トレーニング
病院の医師にすすめられたのが、体幹(インナーマッスルー深層筋)のトレーニングです。とくにおなかや背中の体幹筋をきたえることにより、コルセットをつけたときのように姿勢を整え、患部を保護するとのことでした。
一般に腹筋をきたえるというときは、おなかの前の筋肉(腹直筋ー表層筋)が6つに割れたなどということを想像します。しかし、体幹トレーニングでは、この筋肉ではなく、腹横筋など深いところにある筋肉をきたえるということになります。
私が実践した体幹トレーニングをあげてみます。
なお、以下に共通する注意点は次のとおりです。
- 痛みがあるときは無理に行わない
- 肛門をギュッとしめる
- きたえる筋肉を意識する
- 息を止めない
ドローイン
もっとも基本的で効果的な腹横筋トレーニングです。
深呼吸の要領で行います。
いつでもどこでもできるのが特徴です。立ったままの姿勢、イスにすわって、あおむけに寝て。
わたくしは寝てします。ものぐさです。
トレーニングの仕方は...
- まっすぐに立ちます。
- おなかをふくらませながら限界まで息を吸います。
- 次に、ゆっくり吐きながらお腹をへこませていきます。
- 息を吐ききったら、その状態を10~30秒キープします。
- ①~④を繰り返します。
④のとき、息をとめずに静かに呼吸してかまいません。
5回 × 1日5セット
注意点は...
- おなかをへこませるとき腹直筋に力を入れない
- 肩に力をいれない
- 腰を反らせない
- まえかがみにならない
- 食事の直後には行わない
わたしくしがこのトレーニングをはじめたときは、痛みで数回もできませんでした。その後徐々になれてきて、いまではちょっとした時間があれば実践するようにしています。
バックキック
ドローインにくらべるとやや難易度があがりますが、これも基本的な体幹トレーニングです。
腹横筋・大殿筋・脊柱起立筋などに効きます。
トレーニングのしかたは...
- 四つんばいになります。手は肩の下、膝は骨盤の幅に
- 足と反対側の手を床と平行になるまでまっすぐ伸ばします
- 息を吐きながら3秒かけて伸ばし、3秒間キープ
3秒x左右3回
注意点は...
- お腹が落ちてこないように
- 腹筋にも力を入れて体を一直線にする
- 足を上げすぎると腰痛の原因になる可能性があるので注意が必要
ヒップリフト
大臀筋・ハムストリング・腹横筋を同時にきたえられるトレーニングです。
トレーニングのしかたは...
- あおむけに寝てひざを軽く曲げて立てます
- 手を開き、体を安定させます
- 息を吐きながらゆっくりとお尻を持ち上げます
- ひざから肩まで一直線になったら2~3秒キープ
- その後ゆっくりともとにもどします
10回 × 3セット。なれてきたらセット数とキープ時間をのばします。
注意点は...
- 呼吸を安定させて取り組む
- 肩や腕に力を入れない
- ゆっくりとおこなう
- 背筋・腹筋・ハムストリングを意識する
フロントブリッジ
自分の体重を支えることで腹横筋をきたえることができるトレーニング。初心者でも取り組みやすいメニューです。
トレーニングのしかたは...
- 床にうつ伏せになり、腕を肩幅に広げ、軽く上体を起こします
- うでの角度は90度を保つようにします
- 足はつま先で軽く上体を起こします
- 足から首筋までまっすぐにします
- ④の状態で30秒キープします
- インターバル(30秒休けい)
- 再度30秒フロントブリッジを行います
30秒 × 3セット。なれれば時間、セット数をふやします。
注意点は...
- お尻を上げない、下げない
- ドローインの要領で呼吸を安定させてる
- 手で地面を押さない
- 顔を前に向ける
まとめ
病院での治療、体幹トレーニング、どれかがよかったのか、あるいは自然に治ったのか。結局のところはわかりません。しかし、なにもしないで1年ほどで日常生活に支障がないほどに戻れたかは疑問です。あるいはもっと悪化していたかもしれません。
できることはあきらめずにやる。それが正しい対処方法だと思います。
筋力の低下とトレーニング
痛みが強かった時期には、ストレッチや運動することもできず、歩くことさえ困難だったため、脚の筋力が極端に落ちました。柔軟性も落ちています。
年齢のこともありますが、少し歩くと疲れて、長い距離が歩けません。
これではうまくありませんので、現在はストレッチや体幹トレーニングに加え筋トレも少しずつやっております。
スクワットやプッシュアップなど、できる範囲で。
結果、5階まで階段を上がることができるようになったなど、いくらかの効果は出ていると思います。
継続こそ力です。
おすすめトレーニング用品