バランスボールは、初心者は無理なく筋トレやストレッチをすることができ、上級者には高度なトレーニングが可能な、すぐれたエクササイズ用具です。
特に腰痛の予防には効果的です(ウチにもあります)
バランスボールとは
直径45㎝~75㎝ほどの樹脂製のボールで、人の体重をあずけても破損しない強度と弾力があります。
バランスボールを使ってエクササイズすることにより、バランス感覚をみがくだけではなく姿勢の改善、柔軟性や筋力の向上などの効果も期待できます。
日本では、2001年に当時セリエAのASローマに所属していたサッカーの中田英寿選手がトレーニングに使っている映像がテレビで放送されたことから知られるようになったそうです。
バランスボールを使うメリット
バランスボールを使って行なうエクササイズには以下のようなメリットがあります。
バランス感覚が養える
不安定なボールに乗ったり座ったりして運動を行うわけですから、自然とバランス感覚が養われます。
体幹筋(インナーマッスル)を鍛えられる
運動によっては体幹筋を鍛えることができます。体幹筋は姿勢の維持に重要な筋肉であり、これを鍛えることにより腰痛の改善をうながすことが可能です。
ストレッチが簡単
むずかしいフォームを気にしなくても、簡単にストレッチをすることができます。
腰痛の改善
体幹筋を鍛えることにより、自分の体の中にコルセットを作ったかのように脊椎等を保護し、腰痛になりにくい身体になることができます。
ただし、いま腰痛がある人はトレーニングを避けなければなりません。治ってから鍛えれば再発しにくい身体をつくることが可能です。
姿勢の改善
バランスボールは正しい姿勢で座らないとうまく座り続けられないので、自然と姿勢の改善になります。正しい姿勢は健康な身体の基本です。
ダイエット効果
体幹筋が鍛えられることにより代謝があがり、便秘解消にもなるため、ダイエットの効果があるとされます。
初心者でも取りくみやすい
ただ座るだけでも効果がありますので、初心者からアスリートまで楽しみながらトレーニングをすることができます。
デメリット
- 正しい使い方をしなかったり、無理をすると転倒やケガをする恐れがあります。
- ものが少々大きいので、家庭に置くにはウ~ンというところもあります。
バランスボールを使ったエクササイズ
バランスボールを使ったストレッチ
背中のストレッチ 背中をボールの上に乗せ、両腕は頭の方向に伸ばします。膝を曲げたり伸ばしたりしてボールを転がしながら腹部を伸ばします。30秒。転がしすぎて頭を打たないように。
腹部のストレッチ 両足を腰の幅に開いて、膝立ちになります。おなかをバランスボールに乗せ、両手を組んでボールを抱え込みます。前後左右にボールを少し転がしたり、軽くバウンス(※)しながら、背中全体を伸ばします。30秒。(※バランスボールの弾力と自分の体重を利用して上下にポンポンとはねること)
このほかにも工夫しだいで肩甲骨・胸・肩と腕・ハムストリングス・三角筋・上腕三頭筋など各部位のストレッチをおこなうことができます。
くわしくはこちら
バランスボールを使った体幹トレーニング
まずはすわる
ボール自体が不安定なものですから、すわるだけでもさまざまな筋肉を使ってバランスを保とうとします。これにより、おなか・背・腰などの体幹筋をバランスよく鍛えることができます。また、骨盤のゆがみが矯正されて姿勢が良くなります。
すわるときの注意点は、ボールの真上に座ること、膝は90度程度に曲げること、おしりの下の方に力を入れることです。
骨盤まわりの筋肉を鍛える
ボールの上に座って膝を90度に曲げ、足は肩幅よりやや広めに開きます。背すじを伸ばして手は腰におきます。その姿勢をキープしたまま、腰をゆっくり右または左に傾けて戻すという動きをくりかえします。
また、上の姿勢で背筋を伸ばしたまま足の位置を動かさないようにして腰のあたりでボールを前にゆっくり転がし、骨盤を後ろに傾ける。元に戻して1回。
これらの運動により、骨盤まわりの体幹筋がきたえられ、また、固まりがちな腰椎のストレッチにもなります。
仰向け姿勢のまま横に動く
ボールの上に首と肩の後ろをのせる形で仰向けになり、両手を左右に広げます。身体を床と平行にし、膝の角度は90度に。その姿勢を保ったまま、足を使って身体ごと横にずらしていきます。限界まで来たら元に戻し、反対側も同様に行います。
不安定な姿勢でボールの上で動くため、背中やおなか・股関節・肩まわりの体幹筋の運動になります。
バランスボールを使ってプッシュアップ
バランスボールに足をおいて行う腕立てふせは、通常できたえることができる大胸筋・上腕三頭筋・三頭筋前部のほかに、さまざまな体幹筋のトレーニングにもなります。
ただし、かなり高度な運動ですので、初心者の方がいきなり行うのはむずかしいかも。
ほかにもさまざまなトレーニングができます。こちらを参照ください。
バランスボールの選びかた
バランスボールは、サイズと価格の二つの面から選びます。
サイズ
ボールのサイズは身長にあわせて、おおむね次のサイズのものを選ぶとよいとされます。
身長 | ボールのサイズ |
~150cm | 45cmまたは55cm |
150cm~170cm | 55cmまたは65cm |
170cm~180cm | 65cmまたは75cm |
180cm~ | 75cmまたは85cm |
ただし、小さいボールを大きくすることはできませんが、大きなボールは空気を抜くことにより小さくすることができます。また、初心者のうちはあまりパンパンにふくらませない方が使いやすいともいわれます。
迷ったら大きめのボールを選んだ方がよいかもしれません。
価格
2,000円~3,000円の価格帯のものがよいかと思います。
あまり安いものは、手や足にはさんでするエクササイズにはいいでしょうが、上に乗るとなると耐久性を心配しながらとなって、あまり気持ちのよいものではないかもしれません。