読んだ本をごく短いコメントをつけてご紹介しています。
評価は、あくまでも個人的な感想であり、取り上げた作品に対する一般的な評価を意識したものではありません。
私をくいとめて
著者:綿矢りさ
評価:★★★★☆ オススメ
コメント:
綿矢さんは、前回の金原ひとみさんと同時に芥川賞を歴代最年少で受賞。本作は、『クラウドガール』と同時期に発表された作品。文庫解説も互いが書いています。
綿矢さん。おっとりとしたお嬢さんふうな外見とはことなり、なかなか毒があることもある作風ですが、本作についてはそのような毒はなく、ポップでコミカルです。
主人公ものみつ子はもうすぐ33歳になる独身女子。〈一人で生き続けてゆくことになんの抵抗もない、と思っていた〉し、〈男性も家庭も、もはや私には遠い存在になっている〉。そんな彼女はしかし、脳内にひとりの人物を住まわせていた..
『クラウドガール』の姉妹も、みつ子もどこか狂ってる。といういいかたがよくないんだったら、どこかおかしい、変。でも、この「おかしさ」がいまの若いひとにはリアルなんでしょうね。
どちらも成長と自立の物語なんですが、むかしの「自立」とはずいぶんちがうような気がする。いまの方が、「自立」後のすがたが見えにくい分、むずかしいのかも。
金原さんの文庫解説もいいです。綿矢さんとの交流がほのみえて、ほほえましい。
【評価一覧】
★★★★★ 超オススメ・・読んだらきっといいことがあります
★★★★☆ オススメ・・自信をもっておすすめします
★★★☆☆ 興味があれば・・興味がある人にはオススメ
★★☆☆☆ 時間があれば・・ヒマを持てあましている人にはいいかも
★☆☆☆☆ 読まなくてもいいかな・・難アリなので全部は読まなくてもいいです
☆☆☆☆☆ クソ本・・読む価値なし。多分ご紹介しない