腹筋ローラーがおすすめの理由
「腹筋ローラー」のメリットは、何といってもその手軽さ。しかも、効果も大とあっては、使わないわけにはいきません。
以下に、メリットを列挙します。
- コンパクト…さっと取り出せて、片付けも簡単。
- 場所を取らない…体をのばせる場所があればOK。
- 自宅でできる…大きなマシンを使いませんので、ジムに通う必要がありません。
- 簡単…コツさえつかめば複雑な運動はありません。初心者にも最適。
- 楽しい…器具を使わないトレーニングはあきてしまいがちですが、「腹筋ローラー」はリズミカルに楽しく運動ができます。
- 効果大…正しく使えば大きな効果が期待できます。
- コスパがよい…お値段も手ごろですので、使わない手はありません。
ただし、正しい使い方をしないと、効果が薄いばかりか、腰痛の原因になったり、ケガのもととなることがありますので、注意が必要です。
わたくしも継続的にトレーニングしております。しかし、皮下脂肪が適度に厚いため、腹筋がついているのが見えません。ついてきたという実感はあるんですが..
腹筋ローラーで鍛えられる筋肉
腹筋群
「腹筋ローラー」の名のとおり、主に鍛えられるのはお腹の筋肉。「腹直筋」と「腹斜筋」がその対象となります。
腹直筋(表層筋)
おなかの前側の中央、腹壁のすぐ内側にあります。体を前屈するときに働く筋肉。「腹筋ローラー」では、押し出すとき、引き寄せるときに使われます。
よく、おなかが六つに割れたとか、シックスパックができたとかいわれますが、鍛えかたと継続、そして皮下脂肪を減らすことで、それも夢ではありません。
(皮下脂肪は、「腹筋ローラー」を含む腹筋運動だけでは落ちません。全身の筋肉トレーニング等、別の方法が必要です)
外腹斜筋(浅層筋)
おなかの左右、腹壁外側部のすぐ内側にある筋肉で、体の前屈や側屈に使用されます。「筋肉ローラー」の運動に「ひねり」を加えることにより鍛えられ、やや高度なトレーニングとなります。高度に鍛えると、お腹の左右に斜めに走る筋肉が見えるようになります。
内腹斜筋(中層筋)
外腹斜筋よりも深いところにある筋肉です。外腹斜筋と協力して、体の前屈やひねりに力を発揮する筋肉です。「筋肉ローラー」で鍛えられるのはここまでとなります。
腹横筋(深層筋)
腹横筋は、腹筋群のなかでも最も深い場所にある筋肉であり、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる部分です。体の中のコルセットのように、おなかのまわりをぐるっと囲んでいます。おなかを引っ込ませるときに働く筋肉で、内臓の位置を安定させたり、正しい姿勢を維持するなど、重要な役割も担っています。
普通の腹筋トレーニングでは鍛えるのがむずかしく、ドローインを中心とした体幹トレーニングを行う必要があります ⇒ 体幹トレーニングについてはこちら
上腕筋群
上腕三頭筋
上腕骨を間にして、力こぶ(上腕二頭筋)の裏側に位置する筋肉群。腕の筋肉の中では最も体積の大きい筋肉です。主に肘関節の曲げ伸ばしに貢献しています。この筋肉を鍛えることにより、腕を太くすることができます。
三角筋
三角筋は、肩の付け根、肩関節をおおう筋肉群です。肩の曲げ伸ばし、回転、ひねりなどに活躍します。
背筋群
脊柱起立筋
背骨の両側に位置し、骨盤から頭蓋骨へとつながる筋肉群です。その役割は、体を伸ばす、左右に曲げる、体を起こし姿勢を維持するなどです。この筋肉が固くなると、腰痛を引き起こしたり、肩こり・頭痛・首こりなどにも影響を及ぼしたりすることがあります。
広背筋
広背筋は脊柱起立筋の外側に位置し、背中から腰、腕へとつながる大きな筋肉です。肩甲骨を寄せたり下げたりするときに働き、ものを引っぱったり、体を腕で引き寄せたりする動作に貢献します。
注意点
「腹筋ローラー」は、腹横筋を除く上記のいずれの筋肉も鍛えることができます。ただし、上腕筋や背筋を主に使う運動をしてしまうと、腹筋を鍛えることができません。次章からは、効率的に腹筋を鍛えるための正しい「腹筋ローラー」の使いかたについて説明します。
腹筋ローラーの基本トレーニング
初心者から中級レベルの人は、上の図のように、床にひざをついて行います。基本トレーニングの方法は次のとおりです。
- グリップを両手でしっかり握る
- おへそを見るようにして少し背中を丸めながら、これ以上伸ばせないというところまで、まっすぐゆっくり押していく
- もとの姿勢になるまでゆっくりと引き戻す
初心者で、引き戻す動作ができない人は、そのまま倒れてからもとの姿勢にもどり、また押す動作を繰り返します。力がついてきたら、引き戻す動作を加えます。また、伸ばす距離を短くすることによっても、負荷を小さくすることができます。
サイクルは、1分間のインターバルをはさんで、10回 x 3セット。これを週3回ほどで十分効果があります。初心者は無理をせず、少ない回数から始めましょう。
なお、床が固くてひざが痛い場合には、「ひざ保護パッド」を使うとよいでしょう。クッションやバスタオルをたたんだものでもかまいませんが、すべりにくいものを。または、「腹筋ローラー」を購入するときに、「ひざ保護パッド」つきのものを選びます。
【膝保護パッド】
腹筋ローラーの応用トレーニング
ひざをついた運動がある程度楽にできるようになったら、次のステップとして上図のように、ひざをつかないでトレーニングを行います。
やり方は、基本トレーニングと同じです。異なるのはひざをつかないところ。しかし、基本トレーニングにくらべ負荷はかなり強くなりますので、無理をしないように。やってみてまだむずかしいと思ったら基本にもどりましょう。
さらに、強度を高めるためには、「腹筋ローラー」を正面に押し出ししながら、体を左右にひねります(ひねることによりローラーの進行方法は斜め前になります)。この動作では、腹斜筋などお腹の側面部分も鍛えることができます。
(※注意)この方法では、ローラーを引き戻すときにはずみをつけると、バランスをくずして床に頭から突っ込んでしまいます。私がやってしまいました。十分にご注意を!
次章では、効率的に腹筋を鍛えるための「腹筋ローラー」の正しい使い方とコツについて述べます。
腹筋ローラー正しい使い方とコツ
グリップのにぎり方
手首を伸ばしきらないように、少し前方に返すくらいの感じで、しっかりとグリップを握ります。手首がグリップの下にくるような姿勢で行うと、痛めてしまうおそれがあります。
また、引き戻す際には手首をさらに前方に返すと、引き戻しやすく、より腹筋に効果があります。
ひざや脚の位置
ひざや脚は、やや開きぎみにすると体が安定するので、初心者向きです。逆に、閉じると運動の強度が増します。1本足で行うと、さらに強度が増します。
おしりを突き出さない
おしりを突き出すと、腹筋にうまく刺激がつたわりません。やや開きぎみの「く」の字を書くような感じで行います。
背中を少しまげる
背中が伸びたり、そった状態では、押し出し・引き戻しの運動で背筋が使われしまうので、腹筋への効果が減ってしまいます。気持ち背中をまげるような感じで、おへそを見るようにして行うと、お腹に力が入り、腹筋への効果が高まります。
腕や肩を固定する
腕(ひじ)は伸ばしきらないで、少し曲げると、しっかりと上体を支えることができます。ただし、ひじや肩を動かして押し出し・引き戻しを行うと、腕や肩の筋肉が使われて、腹筋を鍛えることができません。
ゆっくりと
押し出し・引き戻しともゆっくりと行います。反動を使って行うと、腹筋が使われません。
伸ばしすぎない
押し出しのときには、これ以上伸ばせないというところまで押して行きますが、それを超えるとつぶれたり、ケガのもととなったりします。自分の限界を知っておかなければなりません。また、初心者は、押し出しの距離を短くすると、負荷が小さくなります。
呼吸
押し出すときに息を吸い、引き戻すときに吐きます。筋肉を伸ばすときに吸い、収縮するときに吐くというのが、筋トレの基本です。引き戻すときにゆっくりと息を吐き出すことにより、お腹に力が入り、腹筋が鍛えられます。
つねに腹筋を意識する
トレーニング中は、つねに腹筋を意識します。そうすることにより、おのずと正しくないフォームが修正されます。また、実際にお腹をさわって、筋肉が固くなってきているのを感じるのもよい方法だと思います。
レベル別腹筋ローラーの選び方
初心者向け
握り(グリップ)がしっかりしていて握りやすいものを選びましょう。ローラーの数が多いほど、または幅が広いほど安定し、初心者にも使いやすくなります。バネが内蔵されていて、引き戻しの動作をサポートしてくれるものもあります。
中・上級者向け
標準的な2輪タイプです。初心者を卒業して、次のステップへという人向け。
1輪タイプ。1輪のものはバランスを取りながら倒れないようにする必要があるので、トレーニング効果が高くなります。
上級者向け
左右が独立したタイプ。別々に転がっていくのでバランスを取るのに筋力が必要となり、より強度が高いトレーニングとなります。
その他のトレーニング用具