読んだ本をごく短いコメントをつけてご紹介しています。
評価は、あくまでも個人的な感想であり、取り上げた作品に対する一般的な評価を意識したものではありません。
東京百景
著者:又吉直樹
評価:★★★★☆ オススメ
コメント:
『第2図書係補佐』に続く第2エッセイ集です。芥川賞受賞作『火花』の原点となる文章を含む100のエッセイで成ります。
体裁としては、東京の地名にちなむ文章ですが、場所の案内というわけではなく、そこをきっかけとした思いがつづられています。
18歳で上京した又吉さんの希望と不安、魂と行動の遍歴が語られます。が、ユーモアのある文章は、20代最後から30歳そこそこのものとしては、おとな。
最後のひとつ前、九十九『昔のノート』から。
死にたくなるほど苦しい夜には、これは次の楽しいことがある時までのフリなのだと信じるようにしている。のどが渇いているときの方が、水は美味い。忙しい時の方が、休日が嬉しい。苦しい人生の方が、たとえ一瞬がとしても、誰よりも重みのある幸福を甘受できると信じている。その瞬間が来るのは明日かもしれないし、死ぬ間際かもしれない。その瞬間を逃さないために生きようと思う。
【評価一覧】
★★★★★ 超オススメ・・読んだらきっといいことがあります
★★★★☆ オススメ・・自信をもっておすすめします
★★★☆☆ 興味があれば・・興味がある人にはオススメ
★★☆☆☆ 時間があれば・・ヒマを持てあましている人にはいいかも
★☆☆☆☆ 読まなくてもいいかな・・難アリなので全部は読まなくてもいいです
☆☆☆☆☆ クソ本・・読む価値なし。多分ご紹介しない