読んだ本をごく短いコメントをつけてご紹介しています。評価は、あくまでも個人的な感想であり、取り上げた作品に対する一般的な評価を意識したものではありません。
原民喜全詩集
著者:原民喜
評価:★★★★☆ オススメ
コメント:
原民喜は1905年広島県生れ、1951年没の小説家、詩人、俳人です。
代表作は小説『夏の花』、詩集としては『原爆小景』。
原爆文学の代表とされますが、すぐれた詩も多い作家です。
先日岩波文庫で全詩集が刊行されたので、久しぶりに読み返してみました。
詩集の中では『原爆小景』の
「水ヲ下サイ
アア 水ヲ下サイ
ノマシテ下サイ・・・」(『水ヲ下サイ』)や
「ヒロシマのデルタに
若葉うづまけ・・・」(『永遠のみどり』)
などが有名です。
学生の頃これら一連の原爆詩を読み、強い衝撃を受けたことをおぼえています。
『永遠のみどり』には、絶望からの再生と希望を教えられました。
これら以外の詩では、亡くなった妻への追慕を表わしたものなど、静謐で繊細なものが多くあります。
原爆を声高に糾弾することはありませんでしたが、人間の深いところの絶望と希望を静かに見つめる人でした。
原民喜の詩の中にとても好きな一篇があります。
学生のころからノートに書き写したりしておりました。
でも、どれだかは教えません。
私の性根がまるわかりになってしまいますもんね。
【評価一覧】
★★★★★ 超オススメ・・読んだらきっといいことがあります
★★★★☆ オススメ・・自信をもっておすすめします
★★★☆☆ 興味があれば・・興味がある人にはオススメ
★★☆☆☆ 時間があれば・・ヒマを持てあましている人にはいいかも
★☆☆☆☆ 読まなくてもいいかな・・難アリなので全部は読まなくてもいいです
☆☆☆☆☆ クソ本・・読む価値なし。多分ご紹介しない