腰痛

腰痛の治療2 - 非特異的腰痛の治療

腰痛
はてなネコ
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原因がはっきりしない腰痛の治療ってどんなのがあるのかニャ?
さまざまな民間療法がありますが...

前回は原因がわかっている腰痛についてでした。今回は原因がはっきりしない腰痛(非特異的腰痛)についてです。

医師も原因を特定できないだけに、治療を施すことができない。痛み止め薬やシップをくれるか、せいぜい痛み止めの注射をしてくれるだけだという患者の不満が出るわけです。

そこで医師以外の人に頼りたくなるのが人情というもの。あまたの民間療法が流行ることになります。

民間療法ということばは、代替療法や補完療法という呼び方もあって、厳密な定義がされていません。

官庁では、これを「医業類似行為」と呼ぶようです(参考:「医業類似行為に対する取扱いについて」)。

以下、このガイドラインの分類を参考にしながら、各療法について書いてみます。
わたくし自身はマッサージ以外はあまり受けたことがありません。各療法の評価はいたしかねます。

あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復

上記標題について、「はり師」のように「~師」を名乗るためには国家試験に合格しなければなりません。

有資格者が施術する鍼灸院等では、一定の条件のもと、健康保険による診療が可能です。

これとは別に、市区町村から診療費の助成が受けられる場合もあります(助成を実施している市区町村の割合は確認できませんでした)。

あん摩マッサージ指圧

マッサージ

あん摩とマッサージは似ていますが、中国由来と西洋由来との違いがあるようです。

考え方の違いもあります。あん摩は東洋医学でいう気血の流れをよくして疾病を治癒に導くのに対し、マッサージは皮膚に直接手技を加えて血流を改善することを目的としています。

あん摩は衣服の上から遠心性で施術するのに対し、マッサージは皮膚を直接刺激して求心性で施術すると書いてあるところもありました(遠心性ー体の中心から手足に向かって、求心性ー手足から体の中心に向かって)。

指圧は、衣服の上から指や手のひら等を用い、体の一定部位を押すことによって身体の変調を是正し、疾病からの回復に寄与しようとするものです。

はり、きゅう

はり治療

はり、きゅう(鍼灸-しんきゅう)治療では、はりやきゅうを用いて身体に物理的な刺激を与えます。痛みをやわらげ、筋肉の緊張をゆるめ、血流をうながすことで症状を改善させます。また、ケガの修復を促進する効果もあるといわれます。

近年、西洋医学でも、はりやきゅうの効果が認められ、病院でも採用するところが増えつつあるようです。

柔道整復

柔道整復術とは、打撲・捻挫・脱臼・骨折などの損傷に対して、おもに手技と一部機器でもってその回復を図ることを目的におこなう施術をいいます。手術や投薬といった医療的手方法は使用しません。武道の柔術に起源を持ちます。

以前は接骨や骨つぎといいましたね。

こちらも、柔道整復師を名乗るためには国家資格の取得が必要です。

あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為

国家資格にもとづいて「~師」と名乗ることができるのは前記のみ。資格もないのに「はり師」などと名乗ることは法律違反です。

しかし、世の中には民間療法はたくさんあります。代表的なものをあげてみます。

マッサージ

いわゆるリラクゼーションマッサージや足つぼマッサージ等さまざまなマッサージ店があります。国家資格がない者がおこなうものは健康保険も適用されませんし、”治療”と称することもできません。

整体

整体とは、体全体の骨格の関節の歪み・ズレの矯正と、骨格筋の調整などを、手技で行う施術法です。
いろいろと調べてみましたが、起源は諸説あってよくわかりません。

カイロプラクティック

一般社団法人日本カイロプラクターズ協会によれば「骨格のゆがみ、特に背骨の機能異常を手技によって調整することで神経の働きを回復するヘルスケアです。すなわち人間の体を主にコントロールするのは脳につながる神経系であり、その働きがよくなれば自然に人は症状の改善とともに健康になるという訳です。」とのことです。

特に「背骨」というところがキモ。アメリカ起源の療法のようです。

なお、前にあげた医業類似行為に対する取扱いについて」によれば、カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患として椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症ほかがあげられています。注意が必要です。

ぎっくり腰

ぎっくり腰ぎっくり腰は正式には「急性腰痛症」といい、関節捻挫・筋肉の損傷・筋膜性炎症などの激しい痛みをともなう症状におそわれます。

レントゲンやMRIなどの検査でも原因部位がわからないことが多いため、非特異的腰痛に分類されます。

経過としては、1週間以内に約40%の人が回復し、3週間で60~85%、6週間以内に90%の人が回復するといわれます。

痛みがはげしい2~3日は安静にしておいた方がいいのですが、それを超えて動かないでいると逆に慢性化してしまうおそれがあるため、できるだけ動いて日常生活にもどった方がよいとされます。

なお、大半のぎっくり腰はあまり問題ありません。しかし、まれに重大な病気がかくれていることがあるので、やはり病院でみてもらった方がよいでしょう。

まとめ

最初に述べたように、わたくしはマッサージ以外はあまり受けたことがありませんので、各種民間療法の効果について評価することはできません。
マッサージについては、コリがとれたり、痛みが軽くなったりと確かに効果はあると思います。
ただし、これだけでよくなるとは思えません。いつもまでもよくならなかったり、症状が重いときは医師に相談すべきでしょう。

なお、医業類似行為についての広告・宣伝は、法律によって内容がきびしく制限されています。わたくしだったら、「3分で治る」とか「完全に治る」とか宣伝しているところには行きませんね。