読んだ本をごく短いコメントをつけてご紹介しています。
評価は、あくまでも個人的な感想であり、取り上げた作品に対する一般的な評価を意識したものではありません。
あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。
コメント:
ジャンルとしては少女マンガということのようです。
戦争が終わって10年ばかり。まだまだ庶民の暮らしには余裕がなかったころのこと。東京のある小さな町の小さな本屋が物語の舞台。結婚してまだ一週間ほどで夫が急逝、残された本屋を継ぐことになった奥さんの愛と涙とそして知恵の奮闘記です。
奥さんは 貧しい農家の口べらしのために嫁にだされた。読み書きはできるものの 野良作業以外は家事さえもできない。
「なんのために本を読む!生きるためだ!」
夫をなくし途方にくれていた奥さんは、八百屋のハチさんに、夫と同じことを言われた。
本を読むことで奥さんは生きる方法を学んでいく。
「本を読むと明日が変わるんです」
残された棚に並ぶ本から夫のことを知ろうとする。
本を売って生活するということはどういうことなのか。
奥さんの成長の物語であるとともに、短い時間しか共有できなかった夫への恋の物語でもあります。
読みどころは その本を必要とする人や喜んでくれそうな人に届けるために奥さんが編み出す工夫の数々。
棚をお客さん別に分類したり(コンシェルジェサービス?)、近所の八百屋や魚屋に本を置いてもらったり(異業種コラボ?)、読み聞かせ会を開いたり(ブックカフェ?)。
いまのマーケティングの本に出てきそうな内容です。ビジネス書として読むこともできるかも。
少女マンガ独特のタッチで最初は読みづらかったのですが、後半引き込まれました。最後のページ、ちょっと感動しました。
作者の 高橋しん さんはかつて『最終兵器彼女』という恐ろしくも美しい作品を書いています。今回のような作品も書けるのかと、その守備範囲の広さに驚いています。『最終兵器彼女』はムスメの本棚から。
【評価一覧】
★★★★★ 超オススメ・・読んだらきっといいことがあります
★★★★☆ オススメ・・自信をもっておすすめします
★★★☆☆ 興味があれば・・興味がある人にはオススメ
★★☆☆☆ 時間があれば・・ヒマを持てあましている人にはいいかも
★☆☆☆☆ 読まなくてもいいかな・・難アリなので全部は読まなくてもいいです
☆☆☆☆☆ クソ本・・読む価値なし。多分ご紹介しない